昭和15年(28陽会)1940年

NO2

《武 陽》
【神戸一中定期戦】

 待ちに待った定期戦が遂にやって来た。此の日空も快く晴れ渡り全校生徒の應援裡に試合開始。

 昭和15年6月12日(水)神戸市民球場 審判・森口(球審)清瀬(壘審)
 神戸一中 003 000 000=3
 神戸二中 000 001 010=2


 〔一 中〕 打點安犠盗三四失
 8 福 田 31001010
 3 黒 田 21000220
 7 谷 田 21000020
 6 逸 見 40101001
 4  森  40100100
 1 吉 田 40000100
 5 鈴 木 40100100
 9 正 森 20000100
 PH 加 藤 20000000
 2 松 本 30100000
     計 303402651

 〔二 中〕 打點安犠盗三四失
 7 三 谷 41100101
 8 竹 中 20000120
 2 柳 田 40100100
 3 小 林 30000110
 6 猿 丸 10000031
 4 本 城 40000100
 1 井 上 30000310
 5 前 田 20000120
 9 小 室 31000110
     計 26220010102

 △二壘打=三谷

一回(一中)福田二匍、黒田三振、谷田四球、逸見中飛。
  (二中)三谷三振、竹中四球、柳田の二匍に併殺。

二回(一中)森二飛、吉田三振、鈴木内野安打に出たが正森三邪飛。
  (二中)小林三振、猿丸四球に出たが二盗成らず、本城三振。

三回(一中)松本遊匍の後福田、黒田、谷田と四球、逸見の左前安打に福田還り、森も
      左前に痛打し黒田生還、谷田も一舉還る。逸見三盗、吉田右飛、逸見本壘
      に刺さる。
  (二中)井上三振、前田三匍、小室右飛。

四回(一中)鈴木中飛、正森三振、松本三匍。
  (二中)三谷、竹中二匍、柳田三振。

五回(一中)福田投匍、黒田三振、谷田右飛。
  (二中)小林投匍、猿丸四球、本城の三匍に二封、井上四球に出たが前田2−3の
      時井上一壘に捕手よりの牽制球に刺さる。

六回(一中)逸見左飛失に出たが森の投匍に併殺、吉田二飛。
  (二中)前田三振、小室四球、三谷一邪飛、竹中四球、柳田右前安打、小林四球に
      小室迎へらる。猿丸遊匍こゝに一點をかへし氣を揚ぐ。

七回(一中)鈴木二匍、正森遊匍失、松本遊撃越安打、福田右匍に正森本壘寸前に併
      殺。
  (二中)本城三邪飛、井上三振、前田四球、小室三振。

八回(一中)黒田四球、谷田投匍、逸見中飛に三進したが森三振。
  (二中)三谷右中間に二壘打し竹中三振、柳田の遊匍三壘悪投に三谷勇躍生還。
      柳田二進、小林一邪飛、猿丸死球、本城三邪飛こゝに差を一點に縮め敵陣
      に肉迫す。

九回(一中)吉田二飛、鈴木三振、加藤三振。
  (二中)最後の攻撃、無念井上三振に倒れ、前田よく四球に出たが續く小室の一打
      は三壘手に名を成さしめ前田と併殺、こゝに幕は下された。又しても一中
      に名を成さしめてしまった。我が軍良く後半一中陣をおびやかしたが遂に
      一中逃げ續け武運拙なく苦心練習の甲斐もなく敗れた。

 然し我等は全力を舉げ戰ひ通した。そして敗れたのだ。残念だ。屹度明日を期して悔いることなく頑張らう。さうだ、今に臨み發するは明年を期するの一言のみ。來る年は必ず勝つ。之を期し吾我は一層練習に精進せんことを誓ふ。

《武 陽》
◎對第三神港商業戦

 昭和15年7月17日(水)神戸市民球場 審判・福田(球)筒井(壘)
 輕く勝つ。敵軍未だ完成しあらざるものゝ如し。

 第三神港 200 000 000=2
 神戸二中 021 000 00A=3

 〔三 神〕 打點安犠盗三四失
 6 米 竹 30000011
 89 山 下 41100100
 2 別 府 31000010
 18 糟 谷 10000030
 7 米 谷 40000000
 3 島 田 40100200
 5 平 田 40000000
 9 松 田 20000000
 1 久 保 10000110
 4 松 本 40000300
     計 302200761

 〔二 中〕 打點安犠盗三四失
 7 三 谷 20000020
 8 竹 中 20000120
 2 柳 田 40000000
 3 小 林 31100110
 6 猿 丸 30001011
 4 本 城 40200001
 1 井 上 31100010
 5 前 田 31000010
 9 小 室 30000010
     計 273401292

《武 陽》
【全國中等學校優勝野球大會兵庫豫選】

 待望の夏の大會來れり、新チーム編成以來小林主将を中心とし一路本大會を目指し一星霜、我等が二中の武陽魂を現すべき時が来た。
 第一回戰姫路の雄姫路商業を三對零、完封す。

 昭和15年7月26日(金)甲子園
 神戸二中 102 000 000=3
 姫路商業 000 000 000=0


 〔二 中〕 打點安犠盗三四失
 7 三 谷 40001010
 8 竹 中 31000120
 1 井 上 41202011
 3 小 林 51101201
 2 柳 田 30000000
 6 猿 丸 40000202
 4 本 城 30000211
 5 前 田 40100100
 9 小 室 20001020
     計 323405875

 〔姫 商〕 打點安犠盗三四失
 5 橋本信 40000101
 9 柴 原 30000010
 7 香 山 30000110
 1 武 田 40100000
 8 三 好 40000100
 3 藤 田 20000020
 4 中 井 20000210
 PH 長 濱 10000001
 2 橋本透 40000202
 6 多 淵 30000011
     計 300100765

 △二壘打=小林

一回(二中)三谷、竹中、井上四球、小林の遊匍に三谷本封、柳田の三凡野選となり
      竹中生還。猿丸、本城三振。
  (姫路)橋本三振、柴原、香山四球、武田の遊匍に香山と併殺。

二回(二中)前田最初の安打を中前に放ったのみ。
  (姫路)三好三振、藤田、中井共に出たが共に二盗成らず。

三回(二中)井上左前安打に二進、小林左翼線上に二壘打し二壘への送球失に三進、
      井上還り柳田、猿丸二飛、本城四球、前田2−2の時捕逸に小林生還、
      本城二進したが前田三匍。
  (姫路)三者凡退。

四回(二中)小室四球に出たゞけ。
  (姫路)武田一二壘間安打のみ。

五回(二中)(姫路)共に三者凡退。
六回(二中)三者凡退。
  (姫路)四球走者あるのみ。

七回(二中)竹中四球に出たが後援なく。
  (姫路)中井、橋本三振、多淵死球、橋本信三匍。

八回共に三者凡退。
九回(二中)三谷左飛、竹中二匍、井上二壘強襲安打に出たが小林三振。
  (姫路)三好遊匍、藤田四球、中井の代打長濱二匍、橋本透二匍失に一二壘となっ
      たが續く多淵三邪飛に遂に姫路潰ゆ。