75陽会 山本秀樹氏

 我々の学年はほとんどが野球経験者であり、投手、捕手、外野と各ポジはそろっていた。各人、個性はバラバラであったが、チームとしては良くまとまっていた。

 メンバー全員、調子乗りが多く、打線に火がつくと止まらず、一挙大量得点をあげることも少なくなかった。練習試合では快進撃を続け、負け試合は少なかった。公立高校との対戦はほとんど負けなかったが、鎌仲投手(中日―近鉄)を擁する神戸高校との定期戦は完敗であった。自慢の打線が完全に抑え込まれての敗戦、悔しい思い出のひとつである。

 悔しい思い出はほかにもある。練習試合を含め私立高との対戦では、一度も勝利を挙げることができなかったこと。最後の夏の大会も三田学園に、1−3で負けてしまった。技術的な差はなかったと自負している。ただ、精神面の差はあったのは事実だろう。

 悔しい思い出ばかりではない。むしろ楽しい思い出のほうが多く、何を取り上げればいいか頭を悩ますほど。ただひとつ言えることは、素晴らしいメンバーとともに野球ができたことだ。高校の3年間、うれしいときも悲しいときも、いつも野球部のメンバーがいた。 あの当時の思いは今もなお生き続けている。もう一度昔に戻れるとしたら、また同じメンバーで野球をやってみたい。

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